2016年3月3日に、ジェトロより「2015年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」が公表されました。このアンケートは、ジェトロのサービス利用者(=海外ビジネスに関心の高い日本企業)を対象に実施されており、日本企業の海外進出に対する今が映し出されていると言えるでしょう。本日は、アンケート結果の中から、トレンドをご紹介します。
海外進出拡大意欲は高水準ながらも一服感
上図は、今後(3年程度)の海外進出の方針に関する調査結果です。図を見ると、「拡大を図る」企業の割合が53.3%と過半を超えたものの、前年(56.7%)からは減少傾向にあります。
なお、海外進出拡大理由としては、「海外での需要の増加」(81.6%)が最も多く、次いで「国内での需要の減少」(48.5%)、「取引先企業の海外進出」(36.0%)が続いています。
米国での事業拡大意欲が増加
前述の通り、海外進出拡大意欲に関しては減少傾向にあるものの、米国に関しては、昨年度から2.4ポイント上昇した。なお、全体では、中国、タイに続く3位であり、2014年度の4位から1つ順位を上げた。
TPPでは米越間など第三国間貿易での活用も検討
環太平洋パートナーシップ(TPP)協定参加国のうち、日本とのFTAが未発効の国(米国、カナダ、ニュージーランド)との貿易でTPPの利用検討状況については、、日本からの輸出では米国(275社)、カナダ(101社)、ニュージーランド(58社)の順にTPPの利用を検討中との回答が多くありました。
また、日本を除く11カ国間の貿易でTPPの利用を検討する企業に対し、想定する輸出元・輸出先の組み合わせを聞いたところ、回答が得られた395件のうち、最多に挙げられた組み合わせが、ベトナムから米国向けの輸出(82件)でした。
TPP関連でも米国とベトナムの台頭が目立ちました。